INC

世の中ではどのくらい原子核反応の応用技術が使われているかご存じでしょうか?実は次世代原子力発電や重粒子線がん治療など意外と多くのものに原子核反応は使われています。

これらの技術を実現するためには原子核核反応を制御するためにその予測ができなければなりません。そのためのシミュレーションコードモデルの一つとして、INC(核内カスケード)モデルがあります。これは原子核という極小の世界を我々の世界で用いられる古典論の物理をもって取り扱うモデルです。このINCモデルは核反応の予測として高エネルギーの陽子入射反応などではある程度の成功を収めました。

しかし、やはり原子核反応を古典論で扱うのは限界があります。そこで本研究室では、INCモデルに極小の世界の物理法則である量子力学を部分的に取り込むことで更なる精度向上を目指したINC-ELFモデルを開発してきました。これにより、INCモデルでは予測できなかった低エネルギーの原子核反応の予測も可能になりました。現在も重粒子入射反応への拡張など更なるINC-ELFの開発が行われています。

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